ソン・ガンは、日本でも特に知名度の高い韓国俳優の一人です。
『恋するアプリ Love Alarm』『Sweet Home-俺と世界の絶望-』『わかっていても』『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』『マイ・デーモン』など、Netflixで配信された出演作が次々と注目を集めてきました。
そのため、ファンの間では“Netflixの息子”や“Netflixの申し子”とも呼ばれています。作品ごとに異なる人物を演じながら、Netflixを通して長期間にわたり世界の視聴者と出会ってきた俳優です。
日本では、漫画の主人公がそのまま現実に現れたような整った顔立ちと、すらりとしたスタイルも大きな注目を集めました。
しかし、ソン・ガンの人気はビジュアルだけによるものではありません。
『Sweet Home』では心に傷を抱えた高校生、『わかっていても』ではつかみどころのない美大生、『気象庁の人々』では気象への情熱を持つ青年、『マイ・デーモン』では人間との契約によって生きる悪魔を演じました。
現代的なロマンスからダークなジャンル作品まで、まったく異なるキャラクターを演じてきたことが、日本で幅広いファンを獲得した理由の一つでしょう。
また、ソン・ガンが出演するトーク番組を見ると、まず目を引くのは美しいビジュアルです。しかし、話し始めると、その印象は少しずつ変わっていきます。
澄んだ雰囲気と飾らない純粋さを持ちながら、本人は真剣に話しているのに、時々飛び出す予想外の言葉がとても面白い。無理に笑わせようとしていないからこそ、その自然な面白さに何度も笑ってしまいます。
『ミチュリ 8-1000』で共演したユ・ジェソクが、ソン・ガンを「バラエティの原石」と表現したことにも、とても共感します。
ユ・ジェソクが感じていたように、私も以前からソン・ガンの澄んだ心と純粋さ、そして、その中から自然に現れる少し不思議でコミカルな一面に惹かれてきました。その魅力は、今も変わらず大好きです。
そんなソン・ガンが兵役を終え、イ・ジュニョンと共演するtvN土日ドラマ『フォーハンズ』で帰ってきました。
現在、私もNetflixで『フォーハンズ』を見ています。物語そのものがとても面白く、2人の天才が音楽を通してぶつかり合う場面には、毎回引き込まれます。
なかでも印象的なのが、ソン・ガンの静かで落ち着いた演技です。
ソン・ガンのお母さまはピアノの先生として知られており、本人にとってピアノは幼い頃から身近にある楽器でした。そのソン・ガンが、今回の作品で天才ピアニストを演じていることにも、不思議な縁を感じます。
バラエティで見せる明るく純粋な姿とは異なり、『フォーハンズ』では感情を大きく表に出さず、静かな視線やわずかな表情の変化で人物の心を伝えています。
以前から知っている飾らない素顔と、今回のドラマで見せる深みのある演技。その大きなギャップを見て、俳優ソン・ガンの魅力をあらためて感じました。
今回は、『フォーハンズ』で見せる成熟した演技と、ユ・ジェソクも認めたバラエティでの純粋で自然な面白さから、ソン・ガンが多くの人を惹きつける理由を紹介します。
『フォーハンズ』で再発見した、静かで深みのあるソン・ガン
ソン・ガンはこれまで、『Sweet Home-俺と世界の絶望-』のチャ・ヒョンス、『わかっていても』のパク・ジェオン、『マイ・デーモン』のチョン・グウォンなど、強烈なジャンル作品から幻想的なロマンスまで、さまざまな役を演じてきました。
特に、現実離れした美しいビジュアルとミステリアスな雰囲気を生かしたキャラクターは、ソン・ガンの大きな魅力として多くの視聴者に記憶されています。
しかし、兵役後の復帰作となった『フォーハンズ』では、これまでとは少し異なる演技を見せています。
『フォーハンズ』は、音楽の才能を持つ若者たちが芸術高校で出会い、友情や恋、競争を経験しながら成長していく青春音楽ドラマです。
ソン・ガンが演じるカン・ビオは、エリートコースを歩んできた天才ピアニスト。一方、イ・ジュニョンが演じるチェ・ジョンヨは、突然現れた新鋭の天才としてカン・ビオの前に立ちはだかります。
2人が互いの才能を意識し、刺激を受けながら音楽と向き合う場面には、激しい言葉がなくても張り詰めた緊張感があります。
特に印象的なのは、ソン・ガンが感情を外へ爆発させるのではなく、視線や呼吸、表情のわずかな変化によって、カン・ビオの葛藤や孤独を表現している点です。
傷を抱えながらも簡単には弱さを見せず、ピアノへ向かう冷静な姿。その静けさが、かえって人物の内側にある感情を強く感じさせます。
鍵盤の上でイ・ジュニョンと向き合う場面でも、2人の異なる個性が鮮明に表れています。互いの指が音楽を通してぶつかり合うような演奏シーンは、この作品ならではの大きな見どころです。
イ・ジュニョンの鋭く躍動感のある演技と、ソン・ガンの静かで繊細な演技。その対照的な魅力が重なり、ドラマ全体に独特の緊張感と深みを与えています。
世界へ広がる『フォーハンズ』の人気
『フォーハンズ』への反響は、韓国国内だけにとどまりません。
作品はNetflixの非英語シリーズ部門で世界5位を記録し、29の国と地域でTOP10入り。ソン・ガンとイ・ジュニョンが見せる繊細な演技の競演が、世界の視聴者からも注目されています。
これまでもNetflix作品を通して海外で高い人気を得てきたソン・ガンですが、『フォーハンズ』では、美しいビジュアルだけではなく、以前よりも落ち着きと深みを増した演技に注目が集まっています。
兵役による空白期間を経て、俳優としてどのような姿で戻ってくるのか。復帰前から期待されていましたが、今回の作品では、その期待に応える新しいソン・ガンを見ることができます。
華やかさを前面に出すのではなく、静かな演技によって人物の心を伝える。『フォーハンズ』は、ソン・ガンの演技の幅がさらに広がったことを感じさせる作品になっています。
ユ・ジェソクが早くから見抜いていた“バラエティの原石”
ソン・ガンの飾らない面白さを早くから見抜いていたのが、韓国の国民MC、ユ・ジェソクです。
2人は、2018年に放送されたSBSのバラエティ番組『ミチュリ 8-1000』で共演しました。
当時まだバラエティに慣れていなかったソン・ガンは、ゲームに一生懸命取り組みながらも、思いがけない答えや少しずれた反応を見せ、ユ・ジェソクを何度も笑わせていました。
面白かったのは、ゲーム中の行動だけではありません。他の出演者との会話で何気なく返す一言一言も予想外で、本人は真剣な表情をしているのに、周りの出演者たちが先に笑い出してしまいます。
笑いを取ろうとして準備した言葉ではなく、その場で感じたことをそのまま口にするため、次に何を言うのか誰にも予想できません。
そのたびにユ・ジェソクが反応し、ソン・ガンの言葉を拾いながら、まるで新しいバラエティスターを発見したかのように喜んでいた姿が印象に残っています。
私も番組を見ながら、ソン・ガンが次に何を言うのか楽しみになっていました。整ったビジュアルで静かに座っていたかと思えば、突然思いもよらない一言を口にする。その意外性が、『ミチュリ』でのソン・ガンをさらに魅力的に見せていました。
兵役後に出演したtvN『ユ・クイズ ON THE BLOCK』でも、ユ・ジェソクは7年前の共演を振り返り、ソン・ガンについて「あの頃からバラエティの原石だった」と評価しました。
さらに、「ソン・ガンと30分話せば、30分の放送分量が出る」「バラエティの人材なのにもったいない」と、その独特な受け答えをあらためて高く評価しています。
長い時間が過ぎても、ユ・ジェソクが覚えていたソン・ガンの面白さは変わっていませんでした。
『ユ・クイズ』でも変わらなかった飾らない素顔
『ユ・クイズ ON THE BLOCK』では、兵役を終えて以前よりも成熟したソン・ガンの姿を見ることができました。
元々本読むのが好きだったソン・ガンは兵役中に約40冊の本を読んだことや、毎日日記を書いていたことを紹介。一方、入隊前に挑戦すると話していた英語の勉強については、「新しい言語を学ぶのは簡単ではなかった」と、失敗したことも隠さず素直に話しました。
また、「不眠症で悩んでいる」と話しながらも、「よく眠れる日は10時間以上寝る」と続け、ユ・ジェソクを戸惑わせる場面もありました。
無理に笑わせようとしているわけではないのに、真剣に話せば話すほど、思いがけない面白さが生まれます。
以前から変わらない澄んだ雰囲気と素直さ、そして少し不思議な感性。ユ・ジェソクが再び楽しそうにソン・ガンの面白さを引き出す姿を見ながら、「やはりこの魅力は変わっていない」と感じました。
韓国の「国民MC」ユ・ジェソクとは?
ユ・ジェソクは、韓国で20年以上にわたり第一線で活躍している国民的司会者です。
ゲストを尊重しながら自然な魅力を引き出す、温かく安定した進行で知られています。『ユ・クイズ ON THE BLOCK』をはじめ、数多くの人気バラエティ番組でMCを担当してきました。
韓国で「国民MC」と呼ばれるほど幅広い世代から信頼されているユ・ジェソクが、ソン・ガンを「バラエティの原石」として覚えていたことからも、ソン・ガンの飾らない面白さが当時から際立っていたことが分かります。


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